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借地権

地代・家賃の増減額はどう決まる?改定交渉と鑑定の使いどころ

地代や家賃の増減額請求はどう決まるのか。借地借家法上の根拠、適正地代・適正賃料の求め方、交渉から調停・訴訟までの流れ、鑑定評価が果たす役割を、奈良の不動産鑑定士が解説します。

借地権公開: 9分で読了著: 吉田 健人

「何十年も同じ地代のままだが、固定資産税は上がる一方。値上げを申し入れたいが、いくらが妥当なのか分からない」——奈良県内の地主の方から、当事務所がしばしばいただくご相談です。逆に、借地人・借家人の側から「一方的に値上げを通告された」というご相談も少なくありません。

地代や家賃は、当事者が合意すれば自由に決められますが、合意できないときのために、法律が増減額を請求する仕組みを用意しています。この記事では、地代・家賃の増減額がどう決まり、どの段階で鑑定評価が役立つのかを整理します。

1. 増減額請求の根拠——借地借家法という後ろ盾

まず、なぜ一方が値上げ(値下げ)を求められるのか、その法的な根拠を押さえましょう。

「事情が変われば見直せる」という考え方

借地借家法は、地代・家賃について「経済事情の変動などで不相当になったときは、当事者は増額または減額を請求できる」と定めています(借地借家法11条・32条)。契約時に決めた金額でも、時間の経過で実情に合わなくなれば、見直しを求められるという考え方です。

増減額が認められる主な事情

法律が例示している事情は、おおむね次の3つです。

  • 土地・建物にかかる固定資産税など公租公課の増減
  • 土地・建物価格などの経済事情の変動
  • 近隣の同種の地代・家賃との比較(相場との乖離)

長期間据え置かれた地代が、これらの事情に照らして相場から大きくずれていれば、改定の正当な理由になり得ます。

2. 適正地代・適正賃料はどう求めるか

「では、いくらが妥当なのか」。ここが交渉の核心であり、鑑定士の専門領域です。

複数の手法で多角的に検証する

適正な地代・賃料は、一つの計算式で機械的に出るものではありません。鑑定評価では、次のような手法を組み合わせて検証します。

  • 積算法:土地・建物の価格に期待利回りを乗じ、必要経費を加えて求める方法
  • 賃貸事例比較法:近隣の類似した賃貸借の事例と比較して求める方法
  • スライド法:従前の賃料に、経済指標などの変動率を反映させて求める方法

「継続賃料」という特殊性

すでに契約が続いている地代・家賃の改定では、これから新たに貸す場合の相場(新規賃料)とは別に、「継続賃料」という考え方を用います。これまでの経緯や当事者の信頼関係も考慮するため、いきなり相場どおりの金額になるとは限りません。この点が、素人判断で金額を決めにくい理由です。

3. 交渉から調停・訴訟までの流れ

増減額は、いきなり裁判になるわけではありません。段階を追って進みます。

ステップ1:当事者の話し合い(交渉)

まずは当事者間の交渉です。ここで合意できれば、覚書などを交わして完了します。最も費用も時間もかからない解決です。

ステップ2:調停

話し合いがまとまらなければ、簡易裁判所などに調停を申し立てます。賃料増減額請求は、訴訟の前にまず調停を経る「調停前置主義」がとられており、いきなり訴訟はできません。調停は、調停委員を交えた話し合いの場です。

ステップ3:訴訟

調停でも解決しなければ、訴訟に進みます。裁判所は、多くの場合、不動産鑑定士による鑑定評価を踏まえて金額を判断します。

段階特徴鑑定の関わり
交渉費用が軽く早い根拠資料として有効
調停話し合いベース主張の裏付けに有効
訴訟判決で決着鑑定評価が判断材料に

4. 鑑定評価の役割と、専門家への相談

各段階を通じて、金額の客観的な根拠となるのが鑑定評価です。

交渉段階でも、感情論ではなく数字の裏付けがあれば、相手も納得しやすくなります。訴訟に進めば、鑑定評価書(鑑定士が基準に沿って適正な賃料を判定した公的文書)が実質的に判断の土台になります。当事務所は奈良県内の地代・家賃について、継続賃料の特殊性を踏まえた評価をご提供しています。詳しくは借地権・底地の鑑定、裁判での活用は裁判・訴訟のための鑑定をご覧ください。査定と鑑定評価の違いは「査定」と「鑑定評価」は何が違う?もあわせてお読みください。

なお、増減額請求の可否や訴訟の見通しといった法律判断は、弁護士の領域です。最終的には弁護士にご確認ください。当事務所は、その判断の土台となる適正な賃料評価を担います。

まとめ

  • 地代・家賃は、事情が変われば借地借家法に基づき増減額を請求できる
  • 適正額は複数手法で検証。継続中の契約は「継続賃料」で考える
  • 流れは交渉→調停(前置)→訴訟。いきなり訴訟はできない
  • 各段階で鑑定評価が客観的な根拠になる。法律判断は弁護士へ

奈良県内の地代・家賃の改定でお悩みなら、初回のご相談は無料です。ぜひ一度、お問い合わせからお気軽にご相談ください。

tags:# 地代# 家賃# 増減額# 借地借家法# 賃料改定
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